98年夏、南東北に記録的な豪雨が襲ったが、このときと前後して南東北を旅行した。これは、そのときの記録である。
A 眠れない夜(京都-新潟、きたぐに)
南東北を訪れる際に京都から行くにはいろいろな方法があるが、私は急行「きたぐに」を選択した。B寝台下段である。なんで自由席じゃないの?と言う声も聞こえたが、私はしんどいんだ! 学生とは違うんだぞ!!
てなわけでビールとつまみを抱えていそいそとB寝台に乗りこむ。583系下段寝台で、大きな窓を独り占めして、枕もとのライトを消して気分は夜間飛行-のつもりが…
「ごそごそ」
なんだか上がうるさい。
「どん、どすん、っききい・・」
おいおい、寝台落ちてくるんぢゃないだろうな
「あはん」
?
「あっ、だめ…」
!
寝台は何度かあるけど、こんな経験ははじめてである。もちろん、眠れるわけがない。
上の人たち?は、富山で下車してしまった。…そのあと、猛烈に睡魔が…
目がさめるとすでに夜は明けていた。が、なんとなく歩みがのろい、?と思いつつまた眠る。実は大雨の影響で徐行運転しているのであった。このため新潟到着が遅れ、次のべにばな2号への乗り継ぎがあたふたするものとなる。
B 非冷房車万歳(新潟-米沢 べにばな2号)
「べにばな2号」は新潟と米沢との間を結ぶ快速列車である。やってきたのは非冷房のキハ52の2両編成。相変わらず雨が降っているから窓は締めきりである。しかも満員。ということは…
ううーっ 蒸すぜ!
とにかく、新潟を発車。豊栄で女子高生の一団をおろして、坂町まで平坦な道中をゆく。客はだんだん減るだろうという予測は見事にはずれ、空席は出来ることはなかった。もっとも、大半が青春18きっぷの客であるが。
さて、坂町をすぎて進行方向を内陸にむけていよいよ米坂線に入る。が、いよいよ暑くなってきた。勾配を登るキハ52の唸り声がますます暑苦しくしているのかもしれないが。と、雨がやんだ。チャンス、とばかりに窓をあける。気分爽快!
少々じめじめしているもののやはり気分がよろしい。やっぱりこうでなくちゃあ、とばかりにボーと外を見る。しかし、幸運はここまでだった。時刻表をとろうとして、バッグをみようとしたとき、
まわりの「はよしめんかー」といわんばかりの冷たい視線。
おおい、みんな暑くないのかい?
C 標準軌と狭軌と(米沢-山形-仙台)
時刻表からは「快速ざおう」の文字はなくなっているが、地元では「快速」は「ざおう」とどうやら案内しているらしい。この名無しの719系快速「ざおう」山形ゆきは席をほぼ埋めるぐらいの感じで米沢を出発した。
2両だから、たいして乗らないだろうと思いきやそれが大間違い。停車駅ごとに客を拾ってゆく。そして、まるで、都会の電車さながらの混雑になってしまった。
ところで、この719系という電車、これ以降のJR東日本の車両はどことなく東京を思い出させる作りになっているのは私だけか?ああ、そうか、都会の混雑と思ってしまったのはこの電車が東京を思いださせるからにちがいない。うん。と言っているまに山形着。
え?、乗りごごち? 標準軌はよかー(福島-米沢-山形間は標準軌)
山形から仙台までは「快速仙山」にのる。またもや719系。しかし今度は狭軌だ。しかし、凶器でもある。たしかにスピードは大切だよ。しかし、この719系なんか乗り心地がふわふわしてる。おかげで、混雑で立つはめになったわたしはあちらへドスン、こちらへドスン。こんなゆれる電車だったっけ?そんなに急いでどこへ行く?のんびり行こうぜ東北路(ん?)。対向する電車は455系6両編成、こちらは4両。ああ、のんびり旅行はどこへ行った…
D、スリーピング・タイム(仙台-郡山)
仙台で駅うどんを食べる。やっぱりうどんでんな。わたしは大のうどん党なのだ。わははは、とかき込む。そして、郡山ゆきにのりこむ。717系。そして、DT32ののんびりしたゆれを体感すると… Let’s Sleeping Time!!
電車に乗ると眠たくなるときってあるよね。(ならないあなたは不眠症にちがいない(笑))
そう、夜あまり眠れないと昼間眠たくなってしまう。適度なゆれとお日様、そして食欲を満たすと…
ほら、あなたもねむくなーる、ねむーくなーる…。
まあ、前夜にあんだけ刺激的な夜を送ったんだから、昼間は確かに眠くなるな(笑)
とかいってるうちに福島に到着。ここで20分程停車する。時刻表をひろげ、今日の目的地である会津若松までのチェックをする。ん?
「郡山での乗り継ぎ時間が1分しかないな」
郡山で会津若松ゆきが1分接続している。すると、
「まあ、極端に遅れない限り乗れるだろう。田舎だし。」
これは、長年のカンである。
「しかし、座れそうにないな」
これもカンである。ところが、この接続列車には指定席がついている。それを確認して、福島駅のみどりの窓口へ向かった。
「郡山からばんだい17号会津若松まで、指定券大人一枚」
E、ついに雨の影響が!!(郡山-会津若松 ばんだい17号)
かくして、郡山から1分接続は無事成功し、ばんだい17号の人となる。455系6両編成だが案の定空席はなく、指定席確保は正解であった。 指定席は特急普通車の座席を流用したもので、まあ新型特急の座席と比べるべくもないが、やはり楽である。
雨はどんどんきつくなってゆく。一応、明日は磐越西線の残りと蒲原鉄道を乗りに行く予定だが、大丈夫かな…
そんな中、猪苗代湖畔でカップル1組が乗車。こんな雨のなか、ナニをしてたんだ、と思いきや、
「お客さまにあらかじめお断りを申し上げます。ただいま、集中豪雨の影響によりまして、磐越西線、喜多方-馬下間は現在不通になっております。なお、現在は代行バスで運行しております。」
ついに不通区間発生!しかも、なんか言い方からすると当分復旧の見込みはないみたいだ…さてどうしよう。
- 「代行バスは貴重な経験だからバスにのる」
- 「只見線に変更する」
結局、後者の選択をとることになる。バスの選択も捨てがたいが、時間的に不確定要素を組み込むべからず、という青春18の原則にあてはめると、バスは不確定要素以外の何物でもないからである。
F、のんびりディーゼルカー(会津若松-小出-越後川口)
結局、朝1番の只見線小出ゆきにのることになった。昨晩、急遽策定した計画は只見線、飯山線、松本経由で東京着とした。ああ、蒲原鉄道よ、さよーならー。
朝1番の只見線はさすがにすいていた。他の青春18きっぷ族はいない。2両編成で数人たらず。究極の鈍行である。そして、会津若松を後にした。
只見線は何度か来たことがあるが、いつ来ても景色がよろしい。キハ58系非冷房なので、窓を思う存分に開けて、外の空気を吸うこともできる。うん、やっぱりローカル線はこうでなくっちゃ。
しかし、なんか歩みが遅い。不審に思って時刻表をみるとやはり遅れている。
車掌に聞くとやはり雨のせいらしい。おかげで大白川、田子倉付近は最徐行となり、観光遊覧列車のごとく進んでゆく。平野部に出ると、速度規制は解除されたが、完全には遅れは取り戻しきれなかった。しかし、私にはこれがありがたい。だって、乗り継ぎの新潟行きには所定ならば1時間以上の待ち時間があるのだから。
そして、次の目的地越後川口へと向かった。
G、新型気動車論(越後川口-戸狩野沢温泉-長野)
飯山線の列車まで、まだ時間があるので駅前散策に出かけた。が、見事に何もない。パチンコ屋もなければ、本屋もない。まあ、いわゆる普通のローカル駅なのである。飯山線の分岐駅。ただそれだけの駅かもしれない。しかし、おなかがすいたのでスーパーの惣菜を買う。本日はとんかつの日だ。とんかつ大好き。旅先でこんなものに出会うとうれしい。そんで、
とんかつ3枚、コロッケ4個、串かつ3本、鶉2本、ミンチかつ2枚…
思わず買ってしまった。一人で食いきれるわけないのに。
とかいいつつ越後川口の列車まちの間に全部食べてしまった…
日中の越後川口発はさぞかし青春18客でいっぱいだろうと思っていたが、誰もいない。いったいみんなどこへ行ってしまったのだろうか?新鋭キハ110系は軽やかに走る。けど、なんか気分が変だ。なぜだろうか?
それはほどなく解決した。車内を見渡すと、どことなくJR東海のキハ11系に雰囲気が似ているのだ。各鉄道会社独自で車両を作ってはいるものの、結局コンセプトが同じならば、同じ車両になってしまうものなんだ。と、改めて感じたのであった。
温泉駅で有名な津南駅を過ぎ、戸狩野沢温泉で長野行きにのりかえ。余裕で座れる。飯山線てそんなにマイナーだったのか…。なんか考えさせられることばかりであったが、豊野を過ぎて信越本線区間に入るや否や、電車並の加速を披露して自分のこころもすっとしたのだった。
H、クランク走行(長野-松本 快速みすず)
長野から、姨捨停車の快速電車にのる。車種は169系アコモ改善車4両編成。長野地区の169系は全滅に向けてカウントダウンが始まったようで、もしかしたら最後の乗車になるかもしれない。
4両でちょっと多いかな、ぐらいのお客を乗せて快速は走る。快速みみずみすずはダイヤ改正のたびに停車駅が増えて、だんだん遅くなっているような気がする。
姨捨でスイッチバックをする。そのときであった、カップルの会話であった。
「あっ電車がバックしてるわよ!」
「そうさ、電車もクランク走行するのだよ…」
…
をい…
しばらく開いた口がふさがらなかった。
しかし、少し考えた。
「おい、おまえはクランク走るたびに後進かけるんか?」
だとすると、そのおにーさんの運転はものすごくドヘタということになる…いやいや、口にはするまい。
そのおにーさんの運転のことを考えるうちに松本駅に着いた。
I、東京への長い旅(松本-小淵沢-大月-高尾-東京)
ここからは3度の乗り継ぎで東京に向かった。まずは、スカ色115系3両の甲府ゆきである。3両=青春18期間中=東京に夜到着する=込み合う、という3段論法ではなくて見事な4段論法で、真っ先にホームに並ぶ。案の定、どんどんお客が増えてきた。そして、満員で松本駅を発車したのであった。
私は若い女性2人と相席となった。やはり東京に戻るらしい。青春18きっぷをやはり持っていた。どうやら、長野から東京にもどるらしい。
そんな彼女たち、座席に着くや否やかばんから駅弁を取り出した。どうやら、松本駅で仕入れた「安曇野釜めし」、「アルプス弁当常念」、「焼肉弁当」、長野で仕入れたらしい「笹ずし」、「みそ巻カツ弁当」、「きのこめし弁当」…
って、おい!! 全部食うのか?
「だってお昼ぬいたんだもん」
彼女たちの弁。
「でもこんなにいっぺんに食えるのか?」
「まずけりゃすてるまでよ」
どうやら、彼女らは駅弁をファーストフードと勘違いしているような感じである。
しかし、小淵沢に着く前に彼女らは全部食べてしまった… 小淵沢では「元気甲斐」を求めていた… ああっ、食いしん坊万歳!! って普段はやせたいがためにあまり食べてないだろう彼女らだが、こんなに食べて大丈夫なんだろうか?
「だいじょうぶ、おいしいものを入れる胃は別にあるから。」
はいはい。
げに、女とは不思議な生き物である。
小淵沢で大月ゆきに乗りかえる。さすがに暗くなってやることはない。考えることは「早く東京に着かんかなあ」ただ一点である。眠たいんだけど、眠れない。だれかこのヘビの生殺し状態?から救ってくれい!!
大月にで乗り換えて、高尾から「特別快速 東京」の文字を見つけたときはほとほと感動したものである。
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